更新日時: 2023年/02月/28日 by aruna
ちなみに後述する高濃度オキシドールに10分ぐらい漬けておくと殺菌できますが、底砂の奥やろ材にも病原体は隠れているので完全な処理ではないです。
オキシドール浴のやりかた
オキシドール浴は何度もテストしているのである程度自信をもっておすすめできます。
やり方は簡単で、一リットル当たり20㏄のオキシドール液を溶かした水に、3分から5分程度金魚を入れます。
これだけで金魚の体にまとわりついた病原菌や寄生虫はほぼ全滅します。
私が現在効果を確認できたのは、
白雲病・どろかぶり病(効果抜群)
白点病(症状改善)
おぐされ病(症状改善)
赤斑病(軽度のみ治癒確認)
です。寄生虫・白点虫・細菌感染症のどれにも効果を発揮していることがわかります。
オキシドールは消毒液として売られています。殺菌成分があるので、皮膚についた寄生虫や細菌類を除去する効果があります。
さらにオキシドールは薬と違って毒性がなく、自然に分解されるので扱いが簡単です。
また、大量に使わない限りバクテリアにも影響を与えませんし、コケを抑制する目的で水草水槽にも微量添加している人がいるほどです。
実際、微量のオキシドールを出し続ける「オキシデーター」というアクアリウム用品も販売されているほどです。
オキシドールの濃度が重要
オキシドール浴は私が使い始めたわけではなく、以前から白点病などの治療法として存在しました。
私が発見した方法が従来のオキシドール浴と異なるのはズバリ「濃度」です。
従来のオキシドール浴では一リットルにつき0.3㏄程度でしたが、私の場合はその60倍の濃度で行います。
オキシドールは0.3cc程度の濃度では十分な殺菌効果はありません。1リットル20ccの高濃度で短期間薬浴させることで体にまとわりついた病原体を殺菌します。
エラ病や白雲病の原因である「コステア」「イクチオボド」などの原虫は非常に感染力が強く、通常の魚病薬では全く効果がありません。
そのため養魚場では以前ホルマリンを用いていたほどです。
オキシドールもホルマリンと同じような消毒作用がありますが、低濃度では病原菌を殺菌できません。
ですが、20ccの高濃度オキシドールはホルマリン並みの殺菌力を誇るため、これらの厄介な寄生虫も駆除できます。
ただし、一回だけではしばらくすると再発することもあるため、症状がぶり返すようなら2回目の高濃度オキシ浴を行います。
(刺激が強いので1週間ぐらい間を開けた方がいいです)
今のところ2回目のオキシドールを行った金魚は100%治癒しています。
低濃度オキシドール浴
高濃度オキシドール浴を行った後は、1リットル当たり1ccのオキシドールを添加した水槽で薬浴させます。
オキシドールは一日で分解されるので、毎日添加し直します。
病原菌(特にエラ病の原因である原虫類)は非常に強いので、一回薬浴させただけでは完全ではありません。
そのため、完全に症状が出なくなって一週間ぐらいたつまで低濃度浴を続けます。
オキシドール浴は薬浴のように水が激しく劣化することがないため、毎日全換水する必要はないと思います。
ですが、そもそも薬浴用の水槽にはバクテリアがいないので私の場合は毎日か一日おきに半分水を換えています。
ですが、一度だけ高濃度オキシ浴させて低濃度に切り替えても、病気が再発することがあります。その場合、、高濃度オキシドール浴をもう一度行います。寄生虫などは数日おきに卵を産んで増えるので、繰り返し行うとより強力に殺菌できます。
オキシドール浴のリスク
オキシドール浴は私が今まで試してきた治療法の中で抜群の破壊力があります。
しかし、その威力は諸刃の剣で、弱っている金魚に高濃度オキシドール浴をさせると死んでしまう可能性が高いです。
死んでしまった小赤のエラを確認してみると、エラがボロボロに破壊されていました。おそらく病原虫によってエラがダメージを受けた後にオキシドール浴を行うとエラが溶けてしまい、命にかかわるのだと思われます。
初期~中程度のエラ病なら大丈夫なことが多いですが、病が進行している魚は死んでしまうことが多いです。
また、傍から見ると元気そうに見えても、オキシドール浴を行ってから突然死する個体もありました。
これらを踏まえて考えると、オキシドール浴の成功率は50%か60%ぐらいだと思います。
ただ、これは治癒率でなく、失敗して死んでしまう確率です。オキシドール浴を行って長期生存している個体はエラ病が完治しています。
また、以前は底に体をこすりつけて苦しくのたうち回っていた魚も、高濃度浴を行って一週間以内にそのような症状は見られなくなりました。
以上、まとめるとオキシドール浴は生きるか死ぬかのギャンブルのような治療法だと思います。
しかし、現行エラ病などの原虫症を完治させる方法がなく、一度治してもすぐに再発するのを繰り返しているような状態です。
唯一カテキン浴はある程度効果がありましたが、治せるのはごく初期ですし、まだ体表にゴミのようなものが付着しているので多分根治はできないと思われます。
しかし、オキシドール浴はカテキンでも治せなかったエラ病や白雲病などを完全に根治できます。
ですから、のたうち回るレベルのエラ病が発生した場合、私はオキシドール浴を選択すると思います。
また、新しく金魚を買ってきたら1リットルあたり10ccのオキシドールでトリートメントすると思います。
白点病とオキシドール浴
白点病もオキシドールで症状が改善します。しかし、白点病は金魚の皮膚の奥深くまで食い込んでいるので、オキシドール浴を行った直後には症状が改善されません。
高濃度浴を行って低濃度浴に移行するのは同じですが、何日も薬浴させていると次第に白点がはがれてきます。
ちなみに白点病は魚体から離れて卵を産み、数を増やしてからもう一度寄生する習性があるので、毎日水換えするとより効果的です。
ただ、白点病の場合はエラ病ほど強力な効果はないので完治する保証はできません。そこで、オキシドールに加えて昇温療法や塩浴などと組み合わせることで、より強力な殺菌効果が望めると思います。
ニンニクも効果がある?【未検証】
また、餌にニンニクを混ぜるのも病気に効果があるようです。※ニンニクに関しては十分に検証しておらず、オキシドールほどの効果は望めません。
オキシドールで金魚の体表に付着した原虫は消滅できますが、内部の疾患は治せません。そこでオキシドール浴が終わったら、ニンニクにより体内の病原体を消滅させることができるようです。
オキシドールだけで治療しても再発する個体がいましたが、ニンニクを併用して与えると治りが早く、金魚が元気になります。また、ニンニクには抗生物質のような抗菌作用があるので、穴あき病や赤斑、松かさなどの感染症にも効果がある可能性があります。
ただ、ニンニクは水を汚しますし、体表についた虫にはあまり効果がありません。
そこで、ニンニクをえさに混ぜて与えるとよいでしょう。餌はなんでもいいですが粘膜保護効果があるちょっと高めの餌がおすすめです。
ニンニクを使うタイミングは高濃度オキシ浴が終わってから一週間ぐらいたってからです。
最初はストレスで餌をあまり食べませんしニンニクは水を汚します。
一週間ぐらい待ってから与えた方がいいでしょう。
ニンニクの驚異的な効果
ニンニクはアリシンという成分が含まれています。アリシンには寄生虫を駆除する効果や抗菌作用があります。
また、免疫力をアップさせ、腸内環境を正常化する効果もあります。
つまり、寄生虫症だけでなく、
赤斑
穴あき
松かさ
転覆病
等にも効果があります。
実際、台湾などの中華圏ではニンニクから精製した魚病薬が売られているし、養殖場などでも用いられています。
また、アメリカではディスカスのブリーダーが数週間ニンニクを与えたところ、体内の寄生虫が消滅してしまったという事例もあります。
さらに、セラというドイツの会社では、ニンニク入りの餌を販売しています。
このエサを与えていると明らかに病気の発生が減るらしいです(日本では未発売)
そして、ニンニクは松かさ病にも効果を発揮します。台湾だけでなくアメリカの金魚フォーラムでも、ニンニク入りのエサを与え続けることで松かさが治癒したという事例もあります。
ニンニクの与え方
スーパーに売っているチューブにんにく(すりおろしにんにく)を使います。
ニンニクは大量に与えると水を汚すので、ごく微量を餌に混ぜて与えます。
小指の爪サイズのすりおろしにんにくを餌に混ぜ、しみこむのを待って、数分間ぐらい放置しています。
生のニンニクをすりおろしてもいいですが、めちゃくちゃ臭いし手についたら臭いがなかなか取れないし何よりめんどくさいです。効果もあまり変わらなかったので、チューブにんにくを使うことをお勧めします。
コメント
初心者です。縁日で取ってきた金魚が一匹調子が悪いのでオキシドール浴をしてみようと思うのですが、いきなり高濃度で金魚がショック死してしまわないかと心配です。
オキシドール投下を何回かにわけて高濃度にするのがよいのか、そうすると20cc/1lになってから3分間か?などと疑問が湧きましたので詳しいやり方を伝授していただけたらとコメントさせていただきました。
今は塩浴2日目です。
よろしくお願いいたします。
noguminさま
私のやり方は、1リットル当たり20ccオキシを混ぜた水に金魚を入れ、3分経ったら取りだしているだけです。分けて投与はしていませんが、私も自己流でやっているだけなので試されるのもアリだと思います。
ショック死しないかとのことですが、単刀直入に申し上げますと、金魚の体力次第です。
小さい個体でも体力があれば平気ですし、大きい個体でも病気が進行していれば死にます。
ちなみに10mlに濃度を下げると死ぬリスクは減りますがその分効果も低くなります(トリートメントなら10mlで十分ですが)
いずれにせよリスクがある治療法なので、失敗を恐れるのならば無理にお勧めすることは致しません。以上、よろしくお願いいたします。
まさかオキスドールにここまでの効果があるとは思ってもいませんでした。
今まで高価な薬剤を使っても治せずに何匹も喪ってしまっていましたが、
お陰様でカビも除去できて元気になったようです。有難うございました。
当方も20cc溶液に3分、1cc溶液に1週間でほぼ完治しました。
りおパパさま
当サイトがお役に立てて光栄です。
魚によっては弱って死んでしまう個体もいますが、今までエラ病に対してはなす術がなかったので現時点では最も効果が高い方法の一つだと思います。
2匹を20cc溶液に3分の治療をしたら、1匹は翌日に元気になりました。もう1匹は少しの改善が見られましたが、いまひとつです。
回復する魚は20cc溶液の治療で大幅な改善となるのでしょうか?
更に1cc溶液で1週間の治療を行っています。この間に良くなる見込みはありますか?
くに さま
ご連絡ありがとうございます。
処置しても効果がなく落ちる個体もいるので何とも言えないです。
私なら、一週間後にもう一度20cc浴を行います。
短期間で20cc浴させるとリスクが高くなるので、最低でも数日間は開けるようにしています。
以上、よろしくお願いします。
aruna様初めまして。
オキシドール浴凄いですね!
私は3匹を20cc溶液で薬浴させて
2匹が元気になりました。
残念ながら1匹は死んでしまいましたが
今まで紹介されている全ての薬を試しても
すぐに調子が悪くなり、UV殺菌灯でなんとか
延命させている状態でしたので、元気になった
のが本当に信じられないくらいです。
感謝しております。有難うございます。
今もエサクレダンスをしています。(笑)
今回お聞きしたいのは、新しい魚を入れる
時のトリートメントは20ccの3分が良いのか
10ccの?分が良いのか迷っています。
aruna様ならどうしますか?
気長に待ちますので、ご意見を聞かせて
頂けると有難いです。
宜しくお願い致します。
shimaさま
ご連絡いただきありがとうございます。
当ブログがお役に立てて何よりです。
私がオキシドールをトリートメントに用いる際は10ccでした。今まで10匹ぐらい薬浴させましたが、トリートメント後に死んでしまった個体はいませんでした。
金魚であれば、10ccなら比較的安全に薬浴できると思います。
aruna様
返信ありがとうございます。
10ccでやってみます。
本当に助かります。
感謝です。
aruna様
返信ありがとうございます。
10ccでやってみます。
本当に助かります。
感謝です。
申し訳ありません。
重複してしまいました。
ARUNA様
3年前に子供が夜店ですくって来た金魚を適当に飼育し始めたら、ど素人なもので案の定白点病などでほぼ全滅していまいましたが、全滅寸前でこちらのブログに出会いオキシドール浴を決行しました。
回復まで時間はかかりましたが治療が間に合った2匹は今でも元気にエサをねだっております。
この夏新しく仲間を1匹増やす事になり、こちらの記事にある方法でトリートメント中です。
3年越しになってしまいましたがオキシドール浴を知る事ができ感謝しております。
御礼と報告まで。